第13章 墓前の誓い
「そう言えば、さ・・・」
と、墓参りの帰り、石の階段を下っていた時、及川は口を開いた。
「あの時計、針はどれ位すすんだの・・・?」
まだ日の高いうちにこちらの世界に出てきたので、これから山のように溜まった仕事をしに帰るらしいリオは振り返る。
少し固まったあと、彼女はべーっと舌を出した。
「教えませーん、元々、死神を所有物は人には見れないんだから、徹くんは見る必要なーいーのっ」
「な、ケチ!ケチリオっ」
及川も負けじと舌を出す。
「ケチでいいです〜、そんじゃねっ」
と、真夏の昼下がりに姿を消したリオ。
「ちぇっ、教えてくれたっていいじゃん・・・」
及川ははぁ、と息をつき、ぶらぶらと帰路についた。
そんな彼を、姿を消した筈のリオが、木の影から見つめる。
そして、彼の姿が見えなくなると、
堰を切ったように表情を落とした・・・。
「徹くん・・・」
時計を取り出す・・・
針は・・・
彼の寿命は・・・
もう、0に差し掛かっていた・・・ーーー