第12章 夜に咲く真実
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「そこから私は慌てて駆け寄って、リオを抱き起こしました。でも、もう、リオが目を開けることはありませんでした。・・・リオの手には、血のついたオーディションの合格通知がしっかり、握ってありました・・・」
それを見た瞬間思った。
「私は・・・私の一時の感情で・・・リオの未来を奪ってしまったんだって」
だから、最初に、私が殺したと言ったのか、及川は納得した。
「事故だったとしても、私があんなこと言わなければリオは・・・!って、ずっと後悔していました。だけど、皆に言われて、やっと立ち上がって、リオの分まで、私が頑張らなくちゃいけないって思うようになったんです」
ミオから聞いた、リオの最期・・・
彼女がリオを避ける意味が、
休日でもバレーやトレーニングをする意味が・・・
パズルが全部ハマっていった・・・
全部全部、姉であるリオの分まで生きると決めたため・・・
リオのため・・・
いつの間にか打ち上がっていた花火を背に、ミオの涙が光る。
そして・・・
「そんなこと思っていたの・・・ミオ・・・」
いつの間にか姿を見せた、リオ。
及川は目を見開くが、ミオの目には、リオの姿は見えない。
悔やみきれない思いが涙になって溢れる・・・
「リオ・・・ごめん、ごめんなさい・・・っ」
震える声。ミオの、心からの声を、リオは目の前できいた。
リオは膝折れするようにミオの前に座り込んだ。
「ミオ・・・私、ミオにずっと嫌われていると思ってた・・・」
最後に言われた言葉は、今もリオの心の中で渦巻いて・・・
リオもまた、ミオの気持ちを考えずに言ってしまったことをずっと悔やんでいた・・・
「私の方こそ、ごめん・・・ごめんね、リオ・・・」
遂に泣き崩れるリオ。