第12章 夜に咲く真実
リオは呆然として、手から傘を落とした。
強い雨が直接リオの体を濡らしていく。
呆然と自分を見つめるリオに、私はやっと我に返った。
「っ・・・ごめ「ごめん、ミオ・・・!」
私の声を遮る、リオの震えた声。
噛み締めた唇、
雨か、涙かわからないけれど・・・
彼女は今までで一番、悲しい顔をしていた。
「ごめ・・・ん、ミオ・・・」
リオは踵を返して走り出した。
「リオ!!」
待って、伸ばすが、届きそうで届かなかった手・・・ーーー
その時、
キキーーーーッ!!!
ダンッ!!!
目の前の光景がスローモーションのように見えた。
ミオの目の前で踵を返し走り出したリオ。
横断歩道でつまづき倒れるリオ。
そしてそこへ・・・
雨でタイヤを滑らせた車が彼女へ突っ込み・・・ーーー
「リオーーー!!!!!」
ミオは、そこに立ち尽くしたまま、
彼女がはねられるのを、見てしまっていたーーー・・・
「いやぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」