第11章 秘めた想い
「え?」
目を見開く。
「最初に会った時、リオと間違えましたよね?・・・私がリオの妹だから・・・こうして優しくしてくれてるんですか?」
初めて会った時、確かにミオの事をリオだと勘違いしてしまった。
けれど、違う。
ミオと毎日のように一緒に通学したり、一緒に過ごすのは・・・
「俺がミオといる時間が楽しいと感じているからだよ・・・?」
リオのことは、関係ない・・・
「本当に・・・?」
こくんと頷く及川。
「及川さん・・・いや、徹くん・・・私、小さい頃から、部屋の中から、外で遊ぶ徹くんに、憧れていたんです。今もずっと・・・・・・」
ミオはうるうるとした瞳で及川を見上げた。
「私、徹くんのことが好きなんです・・・っ」
"徹くん"・・・
どうして、リオと同じ顔で、同じ呼び方をするんだよ・・・
「ミオ・・・俺は・・・」
同じ気持ちだとしても、
ミオの気持ちには応えられない・・・
何故なら、俺は死んでしまうから・・・
姉を亡くしたミオに、もう一度同じ悲しい想いをさせたくない・・・
だから、ごめん、そう言おうとした・・・
けれど、
ぐいっと引き寄せられる首元。
細い腕が、自分の首に巻き付き、
ほんの一瞬、熱い唇が押し当てられた・・・ーーー
「え?」