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Dearest〜最愛の君へ〜

第11章 秘めた想い





「お疲れーい!!!」


居酒屋のがやがやした雰囲気の中で開催された男女バレー部の合同飲み会。

及川の音頭で男女交互に座ったそれぞれのテーブルでグラスが合わさる音が聞こえる。

久々に吞むビールは、喉によく通り、やはり気持ちいい。

暫く自身のテーブルで飲み食いして談笑していると、及川はちらりとミオのいるテーブルを見た。

彼女のテーブルは、彼女の同期の男女がほとんどで、仲良くやっている。


けれど・・・


(酒、結構飲んでるじゃん・・・)


空いたグラスの山。店員が度々下げるけれど空のグラスは次々と生まれる。
見る度に、ミオの呑むグラスは新しいものになっている気がしたーーー・・・





結果オーライというか、案の定、終盤にはミオは潰れていた。


「ほんと毎回すみません、及川さん」

足取りのおぼつかないミオの片腕を掴み支えながら、及川は店の前で振り向く。

「いいよ。同じ線だし、楽しかったからね。ありがと〜」

それからお疲れ、と手を振ってミオを支えながら、歩き出した。

(うん、こないだは丸っきり潰れていたけれど、今日は立って歩いている。成長したな・・・)


買った水を片手に、及川はミオを支えながら、歩く。



「ミオ、大丈夫?」

駅に着くまでに通る公園に差し掛かった所で、及川は声をかける。

「うぅ、大丈夫、です・・・」


目は、開いているか開いていないかわからないくらい。
今度、またからかうネタにしてやろう、そう思っていると、ミオがガバッと顔を上げた。


「あのっ、及川さん」

「え?」

突然覚醒した彼女は、自分の腕を掴む及川の手を掴んだ。


「どうした、ミオ?」

まだ酔いの覚めていない目をしているが、
どこか、それとは違う雰囲気を纏った彼女は言った・・・・・・



「及川さんが私に優しくしてくれるのって、・・・私がリオの妹だからですか?」




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