第11章 秘めた想い
相変わらず、及川はリオとミオ、2人の少女と日々を生きていた。
特に、毎日同じ電車に乗って学校に向かうミオとの関係を、チームメイトは羨ましがっている様子で、
「及川だけずりぃよなぁ」
「俺も毎朝女の子と通学してぇ」
そう言った声をよく耳にする。
ミオとの関係は良好で、以前約束した通り、休みの日に2人でバレーをしたり、授業の無い空き時間に、一緒にトレーニングをしたり、普通に映画を見に行ったりなんかして・・・傍から見るとまるで、
「お前らって付き合ってねーの?」
恋人同士という一括りにまとめあげられそうな関係にあった。
飲むヨーグルトを片手に、そう尋ねてきた同級生を見て、及川は首を振った。
「付き合ってないよ」
「まじ?ただ一緒にいる時間が多いだけ?」
「うん」
「お前に限ってそれはねぇだろ」
「ひどいな!どう意味だよっ」
確かに、他の人から見たら、自分たちは付き合っているようにも見えるかも知れない。
けれど、そう言った関係はない。そう言い切る。