第10章 近づく距離
その日、結局ミオのペアは、去年の覇者に敗れてしまった。
そんなにビーチバレーに力を入れてはいなかったけれど、やはり負けたことには悔しそうにしていたミオ。
その後、そこの海岸で男女バレー部でのバーベキューが行われた。
鉄板に並べられた肉や野菜が、空腹だった腹を刺激する。
未成年者もいるため、ジュースで乾杯し、各々が肉にありつく。
「でもさ、女バレのペアも去年の優勝ペアに健闘したな!」
「そうそう、前半リードしてたし、勝つかと思った!」
あちこちで賞賛されるミオ。
当の本人は相変わらず控えめに頭を下げている。
「来年は勝てるように頑張ります」
「そうだね!あ、今日はお酒じゃ無いからいっぱい飲んでも平気だよ〜」
この間の飲み会で、及川にミオを託したチームメイトがニヤリと笑う。
「わ、わかってるよ」
顔を真っ赤にするミオ。
そんな彼女を遠目で見ながら、及川は肉に手を出したーーー・・・