第8章 少女の純情禄
それから、私達は度々終電で会うようになった。
まぁ、私は及川くんに会おうと思えばどこでも会えたけど、私の事が見える以上、人混みで会うのはまずいから、終電で彼を待った。
彼が終電に乗らない時は、ちょっと、しゅん、とする事もあったけど、会える日はとても嬉しかった。
私の事がどうして見えるのかわからなかった。
けれど見える以上、私は普通の女の子でいなくちゃいけないと、そう思った。
きっと体には触れられない。
驚かせないように、私は徹くんに触れられない、いつも席の向かいに座った。
彼との会話は、楽しかった・・・
話上手で聞き上手・・・
おまけにこの容姿・・・
私が生きていたら、きっと彼女に立候補してたな・・・
そんな私は、度々任務であることを忘れてしまう事があって、
上司に叱られたりもした・・・
死神と、人間・・・
交わってはいけない私達は、お互いが惹かれているのを、薄々感じた。
徹くんの瞳が・・・
私を見つめる瞳が・・・
少しずつ熱を持ち始めていたから・・・ーーー