第7章 二人の事情
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それから、数日の時が流れた。
及川は4年生になって、単位をほとんど取得していたが自身の気になった授業は受けるようにしていた。
いついなくなるかわからない今、学校生活も、より充実させたいと、思ったからだ。
渡り廊下を歩いていると、不意に声をかけられる。
「及川さんこんにちは〜」
女子バレー部の、下級生の子達だった。
授業が開始されると、体育館は一つしかないため、授業後の部活は、体育館を半分に分けて男女それぞれ練習している。
だから、彼女たちのことは知っているしたまに会えば話す。
今日はその中に、見知った顔を見つけた。
「ほら、さっき言ってた及川さんってこの人のこと!」
「イケメンでしょ〜?及川さん、うちらに新しい同期出来たんですよ!」
そう言いながら、彼女達が及川に紹介する様に前に出したのは・・・
「「えっ」」
大きな瞳とばっちり目が合う。
「あなた・・・!」
「君っ・・・」
ついこの間・・・
自分がリオと間違えて抱きついてしまった・・・
「ミオ!?」
彼女だった・・・。