第6章 0の付く時計
「え・・・?」
リオの瞳が丸く開く。
「俺はさ、今まで自分の選んできた道に後悔はないし、バレーだっていつも全力でしてきた。だからさ、今、ここで死ぬって言われても・・・やりたい事が出来てきたから、それはそれで仕方ないって、思ってるんだよね」
「徹くん・・・」
「だからさ、いつ死ぬかはっきりとはわかんないけどさ、その時まで・・・俺は自分のやりたい事をし続けてもいいかな?」
バレーだって、遊びだって、ドライブだって・・・
最後の最後まで、やり尽くしたい。
それが願いだった。
「うん。そうして、欲しい」
「じゃあさ、俺の側にいてよ」
「え?」
「俺がリオを覚えていたように、リオも俺を覚えていてほしい。
俺の一番近くで・・・俺が俺の人生を全うする所・・・見ててほしい」
リオに見ていてほしい。
その目に、焼き付けてほしい。
自分がここにいたって言う証を・・・・・・
だって、俺は・・・・・・
「リオに、側にいてほしい・・・」
死神の君に、恋をしてしまったんだから・・・・・・