第6章 ０の付く時計

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《間もなく終電電車が発車いたします。駆け込み乗車は御遠慮下さい》

はっと、及川は顔を上げる。


きた･･････


白くなるほど、拳を握り、神妙な趣きで、本日の最終電車に乗り込んだ。

包まれるエアコンの温もり。

いつも思っているが、この時間、この車両、もとい電車は人がいない。

だから、彼女は、現れやすかったのか･･････？



扉が閉まり、緩やかに車両は動き出す。
及川は、いつも彼女と話をした席に腰を下ろし、膝の上で手を組んだ。


「リオ･･･」


会いたい･･･会いたいんだ･･･

君がどうしてここにいたのか、

俺と話してくれたのか、

教えて欲しいよ。



「リオ･･････！」