第4章 雨の日のドライブ
「待って!!」
車内に響く、リオの凛とした声。
及川は少し目を見開く。
そんな彼の瞳から逃げるように、リオは、俯く。
その顔は伏せられて、良く見えなかったが・・・
今まで見た彼女の中で、
唯一、辛そうな顔をしていた・・・・・・・・・
「リオ・・・・・・?」
無意識に、リオへと手が伸びる。
その、華奢な腕へ・・・・・・
「ごめん」
触れかけたその時、再び開くリオの唇。
「え・・・・・・?」
「徹くん、私・・・私、ね・・・・・・」
聞いたことのない、
弱々しい小さな声・・・・・・ーーー
結局、リオはそれ以上口を開くことは無かった。
そしてこの日から、
終電で、
彼女の姿を見ることは無かったーーー・・・