第4章 雨の日のドライブ
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パチっと目が覚めた。
最初に視界に入ってきたのは、車内で流す音楽を鼻歌交じりに歌うリオの姿だった。
「あ、起きた?徹くん」
「ん、起きた・・・今、何時?」
体を起こし、デジタルのそれを見やった。
意外にも、眠りについてからまだ、30分も経っていなかった。
「意外とね、眠ってから時間経ってないよ」
「ん、ほんとだ・・・」
「1日バレーしてたんだもん、疲れてたんだねぇ」
お疲れ様、とつぶやくリオ。
「本当ごめんね、俺からドライブ誘っといて」
座席を戻し、申し訳無さそうに頭をかく。
「んーん!こんな綺麗な所に連れてきてくれたんだもん、ありがとう、しかないよ」
綺麗な笑顔を見せてくれる彼女・・・
とくん、と胸が跳ねる・・・
あぁ、言うのは、今しかない・・・・・・
「あのさ、リオ・・・」
及川は口を開いた。
「ん?」
振り向くリオ。
そして、及川の熱を帯びた視線に気づく・・・
「徹くん・・・?」
「あのさ、リオ・・・」
もう一度リオの名を、確かめるように呼ぶ・・・。
「俺・・・・・・」
その次の言葉を紡ごうとした時・・・ーーー