第4章 雨の日のドライブ
及川が穏やかな寝息を立て始めたことを確認したリオは、ふふっとその寝顔を見て微笑んだ。
(眠ってる時は、随分幼く見えるなぁ・・・)
サラサラと額に流れる前髪を、払い除けてやろうとした時・・・
リオは、数センチ先でその手を止めた。
思い出すのは・・・あの言葉・・・
"彼と親密になって、お互いの関係が向上する事はありませんよ。あまり深く関わらないことですね、彼のためにも"
伸ばされた手をゆっくりと自身の胸に押し当てる。
「わかってるよ・・・・・・そんなこと・・・・・・」
小さく苦しく呟いた声を知るものは・・・
誰も、いなかったーーー・・・