第4章 雨の日のドライブ
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「びっくりした、ほんと歌上手いんだね・・・」
曲が終わり、素直な感想を述べた及川。
リオの声は透き通っていて、それでいて芯のある美しい歌声だった。
「上手いかはわかんないけど、結構ボイストレーニングやってたからね、誰でも歌えるようになれるよ」
少し照れくさそうに、ニットの裾で口元を隠すリオ。
上手いだけじゃなくて、詞の一節一節に気持ちが篭っていてそれを伝える術を持っている様な、そんな気がした。
「ほんと歌手になれるよ、リオ・・・」
「わ、ほんと?嬉しいなぁ・・・」
「リオがコンサートとか開いたら、俺、ファン一号としてツアーとか全部着いてくよ!」
そう意気込む及川に、あははとお腹を抱えるリオ。
「じゃ、そうなったら宜しくね、ファン一号として」
そう言って微笑むリオに・・・及川は急速に惹かれて行くのを感じた。