第4章 雨の日のドライブ
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「あ、そういえば今日練習試合だったよね、お疲れ様!」
「ん、ありがとありがと」
「どうだった?」
んー、とリオが差し入れしてくれたホットの缶コーヒーを飲みながら及川は言葉を選んだ。
「6対4の割合で勝ったかな」
「ほぼ五分五分じゃん」
そうなんだよね、と笑い合う。
「春リーグでは当たるチームだからね、もっと勝率上げたかったんだけど、ね」
「そっか、もうすぐそういうシーズンになってくるんだね!頑張ってね」
車の中で響くのは、いつものような他愛ない会話。
ただ、電車の中のように向かい合わせに座っているのではなく、彼女は自分の、すぐ隣に座っている。
「あ、この曲知ってる!昔流行ったやつ、懐かしいよね」
「そうそう、それ、俺の携帯から繋いでるから、俺のフォルダで良かったら好きなの流していいよ」
と、2人の間の肘置きに置いていたスマホを指す。
「え〜どんなの聴いてんのか気になる、見ていい?」
もう一度確認をとるリオにこくんと頷く及川。
「ポップスが多いんだね、私も好き。
あ、3代目好きなの?っぽいね〜。
あ、懐メロも入ってるし幅広い!」
独り言のように、自分のスマホをいじるリオ。
信号が赤になった時に、ちらりと、そんな彼女の横顔を見ると
やはり美しいと感じた・・・・・・