第4章 雨の日のドライブ
「げ、父ちゃんの車に入ってんの、ほとんど演歌じゃん」
「そらそうだべ、演歌は日本の故郷!いつでも聴きたいってもんよ!」
ビシッと息子に親指を立てて見せる及川の父親。
「ま、俺の携帯スピーカーに繋げよっかな」
「そんな事より徹、雨上がったからって気をつけろよ?道ぬかるんでっから、あんまり端により過ぎんな。免許証もったか?」
「持ったよ。おっけーおっけー、じゃあ、ちょっと借りんね!」
そう言いながら、車の鍵を受け取り、外へ出る。
「わ、まだ寒いなぁ・・・」
あと少しすれば春なのに・・・
宮城の気温は、まだ低い。
「車にブランケット入れといたからな!」
「サンキュー父ちゃん!やっぱりできる男!」
そう玄関で見送りに来た父親に言うと、彼はまた、ビシッと親指を立てた。
「おうよ!行ってらっしゃい!」