第4章 雨の日のドライブ
1日練習試合、そして自主練が終わると、時計は5時を指していた。
念入りにダウンストレッチをすると、及川は脱いだシューズを片手に、部室へ向かった。
「あーれ?及川、今日はえーのな!」
「あー、うん、ちょっと用事あるからね。じゃ、おっ先〜」
まだ床に寝転がっている同期に軽く手を振り、及川は部室に入っていった。
「何あいつ、彼女でもできたんかな」
「さぁて、ねぇ」
ーーー・・・
夕方に、自宅へ帰る方向の電車に乗るのは新鮮だった。
終電とは違い、いつも乗る車両は人で溢れている。
及川とリオがいつも座る席には先客がいて、
雨の上がった夕陽が柔らかく照らし出していた・・・