第4章 雨の日のドライブ
「雨の中のドライブも何か楽しそうじゃん、行こうよっ」
ね?と言うリオ。
まぁ、雨だとしても、
彼女と過ごす時間に退屈な時間など、存在しないだろうな、と及川は思った。
「じゃあ・・・今日にしよっか?」
「うんっ、やった!楽しみ!!」
ぱっと、笑顔が咲く。
それはもう、純粋な喜びを見せる少女に、また、及川は胸が高鳴った。
「何時にしよっか?」
「んー、8時くらいはどう?」
「わかった、じゃあ8時にここの駅で待ってるよ」
家まで行こうかと言ったが、そこまで来てもらうのは悪いから、とリオはここまで来ることを譲らなかった。
「わかった。じゃあその時間に、駅の中にいてよ」
「はーい、じゃあ、徹くん、練習試合頑張ってね!」
と、用件だけを済ませるとリオはあっさりした態度で及川の脇を過ぎて、駅とは逆方向に歩いていく。
途中で振り返り、また後でね、と手を振る彼女に呆気に取られつつも見送る及川。
「俺、練習試合っていつ言ったっけ・・・・・・?」
些細な疑問があったが、彼女と今日念願のドライブに心が浮つくのを感じた・・・ーーー