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Dearest〜最愛の君へ〜

第4章 雨の日のドライブ







ーーー・・・


リオをドライブデートに誘った、次の日の朝のことだった。

その日は、柔らかな雨が降っていた。

今日は、朝から他大学との練習試合のため、及川は傘をさしながら家を出た。

傘をさしながらも、慣れた手つきで耳にイヤフォンをつけて曲を流していく。

空はしとしとと泣くようような雨だが、及川は鼻歌でも歌いだしそうな気分で緩やかな坂道を下っていく。

(今度はいつ、会えるかな・・・)


いつドライブに行こうか

車内で流す音楽はどんなのがいい?

好きな歌手、また聴いてみよう

どんな話をしようかな・・・


彼女を・・・リオの事を考える時間は気持ちを上向かせる。

彼女の事を考えている時間が、今は小さな幸せだった・・・




と、その時・・・




「徹くーん!」


イヤフォン越しに、微かに聞こえる、声・・・

及川ははっとして、イヤフォンを外し、微かに声のした方向、前方へと目線を上げた。

するとそこには、


たった今考えていた彼女の姿があった・・・



「リオ!?」


ビニール傘をさして、満面の笑みでこちらに手を振っているリオがいた。

「えへへ、おはよ!徹くん家ここら辺だったよね、会えてよかった〜」

「何でここに?」

足早に坂を降りて、彼女の横に立つ。

あぁ、隣に立つとより彼女は上目遣いで自分を見上げる様になる。
今日も綺麗だなと、内心思っていると、リオは言った。



「今日にしない?」

「へ?」

「ド、ラ、イ、ブ♪・・・だめ?」

小首を傾げて自分の返事を伺う彼女。

「いい、けど・・・今日、ほら雨じゃん」

ドライブするには生憎の天気だと言うが、リオは首を振った。



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