第19章 愛しい人へ
ーーー・・・
ミオ・・・
ミオ・・・っ・・・
(この声・・・)
ミオはゆっくりと瞼を持ち上げた。
辺りは霧のように鈍い白の景色が広がっており、何度か瞬きをする。
「ん・・・」
(ここは・・・)
「気がついた?ミオ」
不意に頭上から声がかかる。
懐かしい、けれど有り得ない声・・・
「え・・・・・・?」
ミオは首だけを声のした方へ向けると、
「リオ・・・?!」
自分の片割れ、リオの姿があった。
リオはミオの頭を膝枕していた。
ミオは体を起こし、リオと向かい合わせになる。
「嘘・・・なんで、リオが・・・」
「久しぶりだね、ミオ・・・」
驚きを隠せないミオとは対照的に、穏やかに微笑んでいるリオ。
「リオ・・・本当に、リオなの・・・?」
「うん。本当の本当だよ」
幻でも見ているかのように、にわかに信じられないと言った様子のミオの手をきゅっと握る。
すると、ミオは勢いよくリオを抱きしめた。
「本当に・・・リオだ・・・」
懐かしい、リオの香りがする・・・
「ミオ・・・・・・」
ぽんぽんと、背中を撫でてやるリオ。
また、抱きしめ合える日がくるなんて・・・