第18章 最期の時間
バレーボールだけを追い続けてきた俺を、
困らせ、戸惑わせ、切なくさせ、焦がれさせ、楽しませ、笑顔にさせ、幸せにしてくれた存在。
死ぬことを恐れなかった俺を、
生きたいと思わせた存在・・・
だから、
和紙には、
"君"の名前・・・
ミオの名前を書いた・・・
「ミオは、俺の人生のど真ん中にいた・・・」
ミオの瞳からは、涙がとめどなく溢れる。
及川も、感情が押し寄せてくるのを必死にせき止めた。
代わりに、伝えた。
「俺と出会ってくれて・・・本当に、ありがとう・・・!」
俺は、あの時・・・ミオに出会えて幸せだった。
心から、思えるよ・・・
「ありがとう、ミオ・・・」
きっと、忘れない。
愛しい人・・・ーーー