第18章 最期の時間
「だから、さ・・・リオも、一緒にいて・・・」
初めて死を告げられた時に言った。
俺が俺の人生を全うするところを見ていてほしいと。
だから、最期まで、見ていてほしい・・・
リオも、大切な人だから。
「・・・・・・わかった・・・」
及川の腕の温もりを、感じることが出来ないのに、
その気持ちが伝わってきて、
心が、満たされる感じがした・・・。
「だけどね、徹くん・・・」
「なに・・・?」
及川の背に腕を回すようにして、リオは言った。
「ちゃんと・・・ちゃんと、自分に素直になってね」
前にも、似たようなことを言った。
自分のしたいことを、してほしいと。
及川も、リオの気持ちを感じ取り、
胸がきゅっとなる。
「ありがとう・・・」
そして、最期の日は訪れる・・・ーーー