第17章 願えるなら私も
「私も」
ミオは真っ直ぐに及川を見つめていた。
及川は顔を上げ、ミオを振り返ると、夕日の中、射抜くような眼差しに、背筋が伸びた。
「私も・・・また、徹くんと会いたいです。徹くんがいなくなっても・・・もう一度徹くんと会えるように、何度も、何度も、探します」
願わくばあなたの笑顔をもう一度・・・
そう言ったミオの瞳は、涙で溢れて・・・
夕日に輝くそれは本当に美しく・・・
そして彼女は・・・及川が死ぬことを知っているのだと、悟った。
(適わないな・・・ほんと)
いつからだったろうか、
ミオの隣が、こんなに心地いいと感じるようになったのは・・・
及川は、自分の本当の気持ちを伝えようとしたが、
やめておいた。自分は、いなくなってしまうから・・・
だから、代わりに・・・
「ミオ・・・明日俺と、デートしてくんない?」
最後の約束をしたーーー・・・