第14章 それぞれの想い
「及川さん、俺、幽霊とかが見えるだけで、死神とか分かんなくて、及川さんが眠ってる間、リオから聞いたんで、大体のことは分かるんですけど・・・」
「そっか、聞いたんだね、国見ちゃん」
及川は視線を掛けられたシーツへ落とす。
「でも、すみません、まだなんか信じられないって言うか、受け入れられなくて・・・」
視界の端の方で、膝に乗せた国見の拳がきつく握られるのが見えた。
「俺もまだ、信じきれてないよ。でも、リオが言う事だから・・・間違いないと思うんだ」
顔を上げ、及川は真っ直ぐに国見を見た。
「俺は、もうすぐ死ぬ・・・」
それは、決して変えられない運命ーーー・・・
そんなものを背負った及川と、それを聞く国見には、
カーテンの向こうで、ジュースを抱えて戻ってきたミオがいた事など、知る由もなかった・・・ーーー