第14章 それぞれの想い
「質問されると思うんで先に答えときますね。ミオの大体の初体験、俺です。すみません」
「何も言ってないし、そんなビミョーなオブラート包まれたら逆に卑猥だし。なんで謝んの!」
「いや、何か絶対聞かれると思ったんで。謝ったのは、及川さんがミオのこと気に入ってんの、わかったんで」
全て図星で、及川は言葉を詰まらせた。
元恋人同士と言った時点で考えた事を全て見透かされ、潔く答えられて、完敗した気分だった。
(国見ちゃん・・・昔から何か大人びた子だって分かってたけど・・・)
自分と一緒にバレーをしている時も、ミオと付き合っていたのかと色々と考える。
「あ、ちなみに今はもう何とも。ミオの事は、年上の妹がいるって感じにしか思ってないんで」
それも、先程の態度を見ればわかる、けれど・・・
(俺の知らないミオをいっぱい知ってるんだな・・・)
と、羨ましく思ってしまう自分がいた。
「ん?ミオと幼なじみって事は・・・」
不意に浮かんだ、彼女の姉の、リオのこと・・・
「リオのことも知ってんの?」
「はい。あの2人いつも一緒にいたんで。リオともよく遊んだりしてました」
(何かダブルで悔しい!!)
湧き上がる謎の嫉妬心を抑え、及川はふうんと相槌を打った。
「だからリオが亡くなったのは、びっくりしました・・・」
少しだけ睫毛を伏せる。
きっとリオとも色んな思い出があったのだろう・・・
そんな顔をしていた。
「最初はひとりになったミオが心配でしたけど・・・」
と、国見は及川を見据えて、少しだけ安堵したような顔をする。
「及川さんがいるなら、安心です」
国見の言葉に、驚くも、嬉しさが隠せない自分がいた・・・
「そ、そうかな・・・」
「はい。ミオのこと、よろしくお願いします」
自分たちの事を何も知らないはずの国見にそう言われるが、悪い気はしなかった。
彼がミオを大切に思っているのは分かったし、それでいてそんなことを、
あの!国見が言ってくれるとは思わなかったーーー・・・