第14章 それぞれの想い
「・・・と、そろそろ昼ご飯食べないと時間ないですね」
「そうだね。明日もゲームあるから、それ終わったら飲みに行こうよ」
「そうですね、お願いします」
そう約束して、及川は部室へと歩き出した。
その時、国見は一瞬何かを感じ取った。
「及川さん!」
ん?、と振り向く昔の先輩。
はっと伸ばした手を下ろす。
「あ・・・いや・・・」
呼び止めたは良いが、言おうか言うまいか迷い、国見は口ごもった。
及川は首を傾げるが、
「じゃあ、また後でね〜」
と再び歩き出した。
ひとりその場に立ち尽くした国見。
「今のって・・・」
その呟きを聞くものは、誰もいなかった・・・