イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第7章 消せない熱 続編 第一幕〈徳川家康〉
「速まる?……けど、どのみちには関係ない。あの子が目を覚ましたら、すぐに訊いてみるといい。で、気が済んだらさっさと立ち去りなよ。何なら早馬を貸してあげる」
「そう邪険にしないで下さい。不安なのは分かりますが、俺は無理矢理彼女を連れて行ったりはしません。それに、関係ならあります」
「――何?」
夜空には雲が広がり、先程まで出ていた月が陰ると、部屋の中は色濃く闇に染まっていく。
暗がりの中、薄っすらと光る佐助の瞳に言い知れない不安を掻き立てられながら、家康は静かに次の言葉を待った。
「……恐らく、ワームホールは2、3日の内に出現します。それも、さんと俺の、すぐ傍で」
「……?!」
家康は耳を疑った。
背筋に走る冷たい悪寒。
逃れられない己の運命を、佐助の言葉が確信させていく。