イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第6章 消せない熱 後編〈徳川家康〉
秀吉に遣いを頼まれ、城下町へとやって来た家康と。
気分転換も含まれている為、茶屋に寄って甘味を堪能したのだが……
事の始まりは、家康の意地悪から。
そして、意地悪を止める為に出された条件を、がすんなり受け入れなかった為に、2人はもう一軒寄る処が出来てしまった。
その条件とは、が家康に対し、敬語を止め、名を呼び捨てにすると言う、一見大した事のない内容なのだが……
は突然の事過ぎて、すぐに受け入れる事が出来なかった。それに、他にも思うところがあったのだ。
(どうせ私は、五日後には安土から居なくなる。それなのに、今更呼び方を変えるのは……なんか……)
勘定を済ませ、茶屋を出ると、頬にポツリと滴が当たった。
「え?……雨?」
「みたいだね。この分だと、土砂降りになるかもしれない。急ぐよ、」
「は、はい!」
足早に先を急ぐ家康。その後を、がやや小走りでついていく。
家康の予想通り、雨足はすぐに強くなり、あっという間に頭から爪先までびしょ濡れになってしまった。