イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第40章 彼と彼女の攻防戦・終(現パロ・家康)
「」
「ちょ、ま、まま待って、先輩!こ、心の準備が」
「その先輩っていうの、もう止めなよ。呼び捨てにして。……ちゃんと俺の名前を呼んで」
「え?!は、はーどる高っ……!」
「……なら、が言いやすいように、俺から先に言う」
「やっ……み、耳……っ」
「―――、ちゃんと聞いて」
いつまでも煮え切らないに業を煮やして、家康が吐息がかかる程に近く、の耳元で囁いた。
「好き。俺はのことが、好きで、」
―――愛してる。
一際甘く、低く囁かれた言葉に、胸が焦げた。
「観念しなよ。ほら、。言って?」
もう死んじゃう。本当に死んじゃう。彼が、先輩が好き過ぎて、死んでしまう。
こんなに甘く囁かれたら
こんなに蕩けるような瞳を向けられたら
「…好き、です。今にも死にそうなくらい……せんぱいが、好きです」
声が震えた。
いつの間にかボロボロと溢れる涙を、先輩が仕方ないなぁといった顔で優しく拭ってくれる。
「……次はちゃんと、名前でね」
「うぅ~、本当にハードル高いです」
「ダメ。そこは譲らないから」
「なんでそんなに拘るんですか……」
「……今から慣らしておかないと、結婚した後に困るでしょ」
「けっ……?!!」
家康からの、甘過ぎる程の仕返し。
のHPは、もはやゼロである。
この後、が家康の名前を呼び捨てにした瞬間に、今度は家康のHPがゼロになるのだが……
どちらにしても、この攻防戦は一生決着のつかないものなのだ。
終わり(次ページあとがき)