イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第36章 あんたが望むなら 後編 <徳川家康>
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軍議から十日後。
織田軍は上杉武田軍との開戦の為、安土城を出立した。
目指す場所は敵の本拠地である越後ではなく、領地と領地の境にある上杉武田軍の支城だ。
は後方支援にあたる、石田三成の隊に居た。
慣れない馬に緊張するも、一緒に乗ってくれている三成が優しく支えてくれるので、何とか姿勢を保っていられた。
支城を攻めるのは、家康の隊と政宗の隊だ。留守の隙を狙われる事も考え、安土城には秀吉の隊が残り、守りを固めている。
支城までは、まだまだ遠い。
日が落ちる頃、織田軍は傘下の将が治める村で休む事となった。
村の真ん中に位置する大きな屋敷に招かれ、兵達に食事が振る舞われる。
信長が傘下の将へ礼を言い、各々食事を摂った後、は屋敷内の一室を宛がわれた。
兵の大半は空き家を貸してもらうか、外で野宿だが、流石に男だらけの中に女のを放り込む訳にもいかず、部屋を借りる運びとなったのだ。
(私だけ一人で部屋を使わせて貰っちゃって何だか悪いな……)
そう思いつつ、一日中馬に乗ってガチガチに凝り固まった身体に、畳と柔らかな褥は有り難かった。
板張りの空き家や野宿では、当然床は冷たく、柔らかな褥も無い。
(有り難く使わせて貰おう。……疲れたから、今日はすぐに眠れるかも)
家康が信長の命で世話をしていたと分かってからも、は何とか眠れていた。
例え命令であったとしても、家康に救われていた事は紛れもない事実。