イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第34章 ぼんやり雑記帳〈家康&三成〉
【ぼんやり雑記帳・2018/5/1】
「何で俺が三成の寝癖を直さなきゃなんないの」
直す、と言うより……
家康は三成の髪を手櫛で、ただぐしゃぐしゃにしているだけだが。
その様子に、秀吉が「こら、家康!」といつもの口調で窘めた。
「家康様、ありがとうございました!……あれ?秀吉様は何を怒っていらっしゃるのでしょうか」
「さあね」
そう返しながら、家康は宴の席で、少し離れた位置に座っているをチラリと見遣る。
……それは宴が始まる少し前の事。
家康はを訪れ、忠告をした。
『あんたが毎朝三成の世話を焼く必要なんてないでしょ』と。
だが、あの寝癖は放っておけないと、もなかなか譲らず、仕方なしに苦肉の策を実行したのだ。
(三成の寝癖は皆にも言っとくし、俺も気付いたら直すから……とか、なんでもっと良い言い訳を思い付かないかな)
ふぅと溜め息をつき、家康は近くにあった酒を手に取り、自分の杯へトクトクと注ぐ。
すると、それを見た三成がにこにこしながら家康の隣へ腰を下ろした。
「家康様!先程のお礼に、私がお酒をお注ぎしてもよろしいでしょうか?」
「よろしい訳ないでしょ。それに礼なんて要らない。整えるどころか、ぐしゃぐしゃにしたの分かってるだろ」
「いえ、家康様がせっかく私の為にお時間を割いて下さったのですから、出来映えは関係ありません。それに、私は嬉しいのです」
「嬉しい?」
「家康様も、私と同じ様に不器用な事があったなんて……」
「げほっ!ごほっ!」
「い、家康様?!大丈夫ですか?」