イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第27章 極悪の何でも券 〈秀吉Ver〉
『……俺にも駄目だ』
『え?』
『やっぱり危ない。』
『どうして?だって……』
『俺も男だからだ』
『秀吉……さん?』
秀吉の目元が、ほんのり赤く染まっていて。
その少しだけ苦しそうな瞳に、兄ではなく、男を感じ取って、の顔はみるみる真っ赤になった。
『あの……じゃあ、その券……』
『返すよ』
『うん……』
差し出してくる券を、が受け取ろうとした、その時――
秀吉が、『やっぱり、ちょっと待て』と言った。
『このまま返したら、せっかくのの気持ちが無駄になっちまう。だから、やっぱり貰ってもいいか?』
『そ、れは……』
『勿論、妙な事には使わない。……お礼をしたいって思ってくれたお前の気持ちを、大事に取っておきたいんだ』
『……うん。分かった』
『ありがとな、』
『うん……』
甘酸っぱい空気が、二人を包み込む。
もう秀吉には、を妹として見る事は出来なかった。
その瞳に映るのは、眩しいくらいに、ただ一人の女だった――……
終わり☆