イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第19章 冬の寒い日〈徳川家康〉
「……やめてくれる、そういうの」
「え?」
「何に浮かれてるのか知らないけど、ヘラヘラ可愛い顔を皆に見せて回らないで」
「可愛いって……い、家康……?」
「だから。……ヘラヘラするのは、俺の前だけにしてって……」
―――っ。
(馬鹿なのは俺だろ!何言ってるんだ……こんなの……っ)
……………………
…………
「……あの、ね。家康……」
「…………」
「私が浮かれてたのは、この間家康が褒めてくれたからだよ」
「は?」
「世話役の仕事、頑張ってるって褒めてくれたでしょ?それに、その日は寒いからって羽織を貸してくれて……」
「……あ、あれはっ!……風邪でも引かれたら面倒だと思っただけだし、仕事を褒めたのだって別に大した事じゃ……」
「うん。でも、私は凄く嬉しかった。だから、少し……浮かれてたの」
…………何だよ、ソレ。
そんな事で……
あんたはそんな事で浮かれてたの?
そんな事が、はた目から見ても分かるくらい、嬉しかったって言うのかよ。
……何でそんなに、ふにゃふにゃ笑うんだ。
可愛すぎて、反則でしょ。
「家康?」
……気付いたら、を抱き締めてた。
もう、余裕なんてない。
全部全部、あんたのせいだから。
「……今日も、寒いでしょ。だから……」
―――だから
もうしばらく、このままで…………
終わり(次ページあとがき)