イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第19章 冬の寒い日〈徳川家康〉
―――最近のあの子は、何やら浮かれている。
(あんまりにも能天気で馬鹿っぽくて、見てられない)
そう思うのに、気付くとあの子ばかり見ている自分に気付く。
……世話役の仕事以外にも、何かパタパタと忙しなくて。しかも、秀吉さんにはしょっちゅう世話を焼かれてるし、政宗さんや光秀さんにも構われてる。
三成の馬鹿は手伝いますとか言って、城下の買い物に付き合ってるみたいだし。
……あの子の浮かれてる原因は何なんだ?
毎日寒いし、面倒事ばかりなのに、なんであんなに嬉しそうにしてるわけ?
「ねぇ、ちょっと」
「家康!」
……何で俺はを呼び止めてるんだよ。
でも……
堪らない。
「何で最近、そんなに浮かれてるの?」
「え?!わ、私……そんなに浮かれてる?」
「いつもより余計に馬鹿っぽく見えるくらいにはね。……で、何かあったの?」
「……何かあったって言うか……その……」
―――何?
俺には言えない事?
無性に腹が立ってきた。
あんたは一体、何が嬉しかったんだよ。
誰かに何か貰った?
それとも……
何か言われた?