イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第17章 嫉妬は蜜の味〈徳川家康〉
―――ある日の、安土城にて。
「は?」
苛立った声でそう答えたのは、織田信長と同盟を組んでいる武将、徳川家康だ。
家康に声をかけたのは、伊達政宗。
同じ織田軍の仲間である。
政宗は片手に、小さめの小綺麗な包みを持っていて、それを家康に渡そうとしていた。
「だから、この菓子をに渡してくれと言ったんだ」
「……どうして俺が渡さなきゃいけないんですか?それに……」
「……何で渡す相手がなのかって?」
「…………」
家康の思っていた事をズバリ言い当てて、政宗は口角を上げ、ニヤリと笑う。
家康は面白くないといった顔で、更にむすっとしながら、言葉を続けた。
「……何でに?」
「そんなの決まってるだろ。……俺がを気に入っているからだ。それに、前にこの菓子を宴で出した時、凄く美味しかったと絶賛されてな」
「…………」
「また同じ材料が手に入ったから作ってみたんだが、生憎と俺は今から近隣の大名家に行かなきゃならない。はお前の御殿に居るんだし、そこまで手間でもないだろ?」
「……分かりました」
「頼んだぞ、家康」