イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第2章 意地悪な天使 〈石田三成〉
『あんた、自分が今どんな顔してるか分かってる?』
『……っ』
『その顔、他の奴には見せないで。……見せるなら、俺だけにして。』
そう囁いて、家康は手を離し、宴会場へと戻って行った。
家康の言葉を、どう受け止めればいいのか分からずに……
はへたりとその場へ座り込む。
なかなか冷めない熱を身体に宿して―――……
夜風が、火照った身体に心地好い。
そうして、だんだんと近付いて来る足音に気付いた。
視線を向けると、そこには、いつも天使の笑顔でを支えてくれる、三成の姿があった。
「三成くん……?」
一体どうしたのだろう?と、は思った。
いつもの、穏やかで柔らかい雰囲気とは、全然違う。
切羽詰まったような、それでいて真剣な瞳。
は立ち上がって、三成に歩み寄る。
「三成くん……?何かあったの?」
「様……」
「何かあったのなら、私で良ければ話くらい聞けるよ?あ、今日の昼間、美味しいお茶菓子を貰ったの。良ければ私の部屋で一緒に食べない?」
「え……っ……ですが、もう亥の刻を過ぎる頃。様のお部屋にお邪魔するわけには……」
「大丈夫大丈夫!気にしないでいいよ!ほら、中に入っ………」
入って、そう言おうとしたが、は言葉を続けられなかった。
三成に、唇を奪われてしまったから―――……