イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第15章 熱情 中編〈石田三成〉
「トキジ、さん……?」
「……口付けさせろ」
「……やっ……!んん……っ!」
首元には、紅い花弁。
の下唇をやんわりと食んで、薄く開いた隙間から舌を滑り込ませる。
歯列をなぞられ、舌を絡め取られながら、は三成の事を想っていた。
―――お願い、助けて。三成くん。
昨日の朝は、一緒に居たのに。
幸せでいっぱいだったのに。
今は、貴方の声が思い出せない……
の瞳から、大粒の涙が零れ落ちていく。
けれども、耳に聞こえるのは、唇を奪われる水音と、風の音だけだった。
続く(次ページあとがき)