イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第15章 熱情 中編〈石田三成〉
すっかり日が暮れて、群青色の空に星が瞬き始めた頃――……
安土城内の広間では、賊徒共からを奪還すべく、織田軍武将達による作戦会議が続いていた。
広間の隅に控えている家臣が、静かに行灯へ明かりを灯す。
すると、暗がりにあった武将達の姿を、揺らめく明かりがそっと照らした。
「三成、貴様の考えを聞かせろ」
信長の声が響いた後、三成が淡々と分析した賊徒共の情報を皆に伝えていく。
「まずは、奴等の根城を見つけ出します。彼等は沢山の馬を持っていました。それならば、根城は町中ではなく、何処かの山中。それも、飲み水が確保できる所」
「馬の数だけでそう考えるのは安易ではないか?」
「いえ。襲われた時、彼等の犯行には乱れがなく、よく統率がとれていた。目的が最初から様だったとしても、寄せ集めの者達ならば他の客に手を出すか、もっと私を手酷く痛めつけた筈です」
「……成程な。それならば、頭以下の仲間達は皆、同じ武家の家臣共という事か」
「可能性は高いです。それから、あの場に居た賊徒共はざっと数えても十余人。実際の数は恐らくもっと多いでしょう。しかし、それだけの人数が生活しているとすれば、絶対に目立ちます」
「そこを突くのだな」