イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第13章 独占欲には蓋が出来ない〈徳川家康〉
が安土城へやって来て、まだほんの数日しか経っていない、ある日の事。
信長の命により、家康の御殿に住むようになった訳だが――……
この御殿の主である徳川家康は、今まさに、少し離れた所からをガン見していた。
世話になっているからと、は自ら進んで御殿の掃除をしているのだが、その最中に着物が少しずつ乱れ、崩れていく。
(……何であんなに着付けが下手なんだよ。着物に慣れてないって事?……また裾踏んでるし……)
家康は苛々ハラハラと見つめながら、居ても立ってもいられなくなり、仕方無くに声をかける。
「ねぇ、ちょっと」
「え?あっ……家康さん!」
そこで初めて家康の存在に気付いたが、慌てて立ち上がった。
少し緊張しているのか、身体の強張りが見て取れる。
その様子に、家康は益々苛立ちを募らせた。
「……そんなに警戒しなくても、あんたなんか、とって食べたりしないよ」
「わ、私、別に警戒なんて……」
「してるでしょ。……まぁ、弱そうなあんたの、せめてもの防衛反応なのかもしれないけど」