イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第10章 消せない熱 続編 第四幕〈徳川家康〉
(……確か、ビルって言ってたっけ、こういう建物。中が丸見えだけど、色々と大丈夫なの?)
家康が考えていると、後ろから誰かが近付いてくる気配を感じ取り、咄嗟に身構えながら後ろへバッと振り向いた。
「きゃっ!」
「……っ。あんた、昨日の……」
「急に振り向くからビックリしちゃった!君、昨日私が声かけた子だよね?来てくれたんだ!」
「……」
「昨日と全く同じ反応!そんなに警戒しないで♪来てくれたって事は、一応興味はあるのよね?」
「……別に。ただ、仕事を探してるから」
その言葉にピクリと反応し、家康をスカウトした女は益々笑顔になった。
「成程!求職中だったのね!うち、いっぱい稼げるわよ!貴方がその気ならね♪」
「……怪しい仕事だったら峰打ち食らわすけど」
「怪しくない怪しくない♪峰打ちとか面白いわね、君!さ、ついて来て。仕事の話をしましょ」
「!」
それまでふざけた空気しか出していなかった女が、急にピリッとした真面目な顔になる。
口元は変わらず笑みを浮かべているが……
「……あんた、実は食えないね」
「あら、ありがとう♪こっちよ、いらっしゃい」
「……」
女に続いて、家康はオフィスビルの中へと入って行った。
続く(次ページあとがき)