イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第8章 消せない熱 続編 第二幕〈徳川家康〉
二人は互いを確かめるように、キツく抱き締め合う。の瞳から溢れる涙は、今度は消えない。
そして、互いの温もりも消えない。
夢じゃない―――……
「も、ダメかと……思っ………ひっく……うぅ……」
「……離すつもりなんて、無かったから。絶対に……」
「家康……家康……」
達が抱き締め合って、互いの温もりを確めていると、近くで倒れていた佐助も目を覚まし、二人を見て驚愕する。
「家康さん……?」
「佐助くん!大丈夫?痛いところない?」
「ああ。……それより、これは夢?」
「ううん、夢じゃないよ!家康が……此処に、現代に居るの。私も驚いたけど……」
「そうか……」
佐助は何かを考えるように視線を逸らした後、「とりあえず移動しよう」と提案した。
確かに、このままずっと此処に居る訳にはいかない。雨のせいで全身ずぶ濡れだし、着替えも用意しなくては。
の鞄や佐助の荷物も、戦国時代から飛ばされて来たのだろう。足下に転がっている。
……故に、財布はあるので、三人は近くの洋服店へ向かった。