第13章 少女の過去
中に入っていたみんなの写真も、番号も何もかもを消すように
『これでいい…』
ポロッと1滴の涙が零れる
『…けど…いつか…』
帰ってきてやる…
許嫁なんかに負けるものか
『父さん』
「なんだ?」
『中学辞めるんだから、高校は日本の高校に行きたい』
父は何も言わずに私を見つめる
父と瓜二つの赤い目
昔はその視線が怖かった。だけど…引くわけにはいかない
「分かった。いいよ」
『!ホント!?』
「ただし…」
高校2年からはまた父とアメリカで暮らすことを約束された
「分かったな?」
『…分かった…』
それが中学3年の事だった…