第35章 最終章
『辰也…ありがとう…わかったよ』
そうあの夢の正体
『母さんだ…』
ずっと見ていなかった母の姿
今鮮明に思い出す
氷室「お母さん…?居たのか?」
『失礼な!死んだけどいるよ!』
私のせいで死んだ
否、私が殺したようなものだ
『…恨んでるんだ』
そう…きっと母は恨んでいる
氷室「ってバカだよ」
『は?』
辰也「俺も父さんいるけど…父さんの口癖で"子供の幸せを願えない奴は親じゃない"ってよく言ってるんだ」
子供の幸せを──…その言葉に救われる
『ありがとう、辰也』
氷室「どういたしまして」
ふふっと笑いあってるとズシリと重いものが乗っかった