第8章 その肆〈信長ルート/艶有〉
信長の舌がの耳を擽り、そのまま首筋へと這っていく。その刺激にゾクゾクと震えながら、は思わず甘い声を漏らした。
「だ、め……信長様……っ」
「……ならば言うがいい。先程の続きをな」
信長は尚も舌を這わせながら、の着物の帯を器用に外していく。
流石に焦ったは、目をぎゅっと瞑り、自分でも戸惑う、先程の言いかけた言葉を白状した。
「し、知りたいと思ったんです……」
「……何?」
「自分でも、よく分かりませんけど……信長様の、あの瞳を見たら……」
「……ありもしない哀しみの理由を知りたいと、そういう事か?くだらんな」
「違います!私はただ、信長様の事を知りたいと思って……っ」
「……!」
「どうして知りたいと思ったのか、自分でも分からないけど……信長様はいつも、弱いところを見せないから……」
「…………」
「心配になって……」
俯きながら、そう話すに、信長は胸の内が激しくざわつくのを感じていた。