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イケメン戦国 抗えない熱◆R18

第8章 その肆〈信長ルート/艶有〉



………………

…………


天主に残ったは、秀吉の後ろ姿を見送った後、信長の方へ向き直り、震える自身の手をぎゅっと握る。


「震えているな。……俺が恐いのか?」

「いいえ、震えていません」

「……まぁいい。それで、話とは何だ?」

「!」

そう訊きながら、信長はとの距離を詰め、腰をグイッと引き寄せた。

は信長の胸を押し返しつつ、「取って食わないって言ったじゃないですか!」と抵抗する。


「食いはしない。……それとも、食って欲しいのか?」

「違います!だって、信長様が……っ!」

「……ただ抱き締めているだけだろう。先程まで秀吉に抱き上げられていたくせに、俺に触れられるのはそんなに嫌か」

「……それとこれとは……」

「答えろ」

「……っ」

「嫌なのか……?」


秀吉さん以外に、触れられたくない。
だから、当然嫌に決まってる。

決まってるのに―――……


(どうして?……声が出ない……っ)


そんなの様子に、信長はまた一瞬、哀しみの色を浮かべた。

そうして、もまた気付く。

(やっぱり、気のせいなんかじゃない。……どうしてそんな瞳をするの?)


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