• テキストサイズ

イケメン戦国 抗えない熱◆R18

第7章 その漆〈秀吉ルート/艶有〉




部屋でぼんやりと考え事をしていたが、バタバタと近付いてくる足音に気付き、襖の方へ視線を向ける。

すると、襖が勢いよく開かれた。少しだけ息を切らせている秀吉に、は驚いて瞳を見開く。


「秀吉さん?」

「……っ!」


名を呼ぶなり、秀吉はをぎゅっと抱き締めた。その焦ったような表情に、は首を傾げつつ、そっと抱き締め返す。


「……秀吉さん、何かあったの?」

「の方こそ……」

「え?」

「三成から聞いた。……信長様に呼び出されたんだろ?」

「!」

「……何の用事だったんだ?それに……」


――何もされなかったか?


そう訊きたいのに、言葉が喉に詰まる。その言葉を口にしてしまったら、信長への己の忠義に背いてしまうような気がして……

主君である信長自身を、裏切ってしまったような気がして、自分自身が怖かった。


……だが、そんな秀吉の不安は、の一言によって、すぐに消えてしまう事になる。

秀吉の温かく硬い胸板に顔を埋めながら、が信長からの言伝を伝えた。


/ 83ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp