第1章 その壱〈豊臣秀吉/艶有〉
必死に声を絞り出すが、そんな自分の言葉とは裏腹に、躰は正直で、更なる快感を求めてしまう。
ついさっき達する寸前だった熱が、みるみる蘇っていく。
「止めていいのか?さっきから俺の指を、きゅっきゅって、ずっと締め付けてくる」
「っ……!それ、は……秀吉さんが…」
「俺のせいにするなんて困った奴だな。……仕方ない、そろそろ拭いてやるよ」
「……え…?……っ!ぁ……」
秀吉の手が止まり、の蜜にまみれた指が引き抜かれる。
は秀吉が止めてくれた事にホッとしつつも、その反面、行き場のない熱を抱え、どうしようもなくなってしまっていた。
躰の奥がじんじんと疼く。
早く、どうにかしないと……そう考えていた矢先。
秀吉はの身体を、優しく褥の上に押し倒した。
何故押し倒されたのか、は戸惑いの表情を浮かべ、口を開く。
「秀吉さん?……何を……」
「言っただろ?拭いてやるよ。……だから、自分で足開け」
秀吉の言葉に、カッと頬が熱くなる。
は顔を背けて、抗議の言葉を紡いだ。
「そんな事、出来ないよ。……どうして……」
「綺麗に拭くには、足を開かないと。……だろ?ほら、早くしろ。それとも、もう一度濡れ具合を確かめて欲しいのか?」
「……っ……今夜の秀吉さんはおかしいよ」
「おかしくさせてるのは、お前だろ」
「え?」