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イケメン戦国 抗えない熱◆R18

第7章 その漆〈秀吉ルート/艶有〉




どうやら家康も本を返却しに来たようで、両手に本を数冊抱えている。

家康は秀吉を見た後、その隣に居る三成に目を止めて、あからさまに不機嫌そうな顔をした。


「秀吉さんは、また三成の世話焼きですか?全く……自分が借りた本を主君に返却させるなんて、とんだ忠臣……」

「悪い、家康!これも頼む!」

「は?」


秀吉は持っていた山積みの本を、家康の持っている本の上に、ドサドサッと重ねる。

「うわっ!」と、本の重さで前のめりになる家康の背中をポンッと叩き、「急用なんだ!後で必ず埋め合わせする!」と言い残して、急いで書庫を出ていった。

書庫の扉が閉まると共に、家康が体勢を崩して倒れ込む。


「家康様!大丈夫ですか?」

「ちょ、待て!足元……」

「わっ?!」

「?!」


足元に散らばり落ちていた本に躓いて、三成が盛大に転び、本棚の横に積まれていた本まで崩れ、家康は三成と一緒に本の山に埋もれてしまった。

ケホコホと咳をしながら、額にピキリと青筋が浮かぶ。


「…………」

「ケホッコホッ!い、家康様、大丈夫ですか?」

「お前はこの状況が大丈夫に見えるわけ?」

「何故だか積んであった本まで崩れてしまいましたね。今日中に片付けられるでしょうか……」


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