第6章 その陸〈秀吉ルート/ちょい艶〉
信長は自らの口に酒を含み、空となった盃と徳利を放って、の唇を奪った。
後頭部に手を当て、押さえながら、無理矢理の口内へ侵入し、甘く蕩けるような酒を流し込む。
「ん……ふ……っ」
はそのままコクリと酒を呑み込み、頬を朱に染める。
何とか信長の胸を押し返そうとするが、力が入らない。
はしたなく口端から酒が零れ、信長の指が優しくそれを拭った。
の身体を支えながら、信長が唇を離す。
「……信長、様っ!」
「そう睨むな。俺は駄賃を貰っただけだ」
「駄賃って……!私と秀吉さんの気持ちを知っているのに……」
「だから何だ?貴様はもともと俺のものだろう。……それに、これで満月までの同居も許してやる。安い駄賃だ。」
「え?」
「聞こえなかったのか?……同居を許してやる、と言ったのだ。次の満月までの間だけだがな。秀吉にも、そう伝えておけ」
「……信長様……」
「答えが見つかれば、ずっとそのまま秀吉の御殿に住むがいい。……だが、見つからなかった時は分かっているな?」